怪〜ayakashi〜 「化猫」

ふと、最近アニメの感想を書いてないなと思ったのと、ちょうど思うことがあったので。
この「怪〜ayakashi〜」は、正式名称は「怪〜ayakashi〜JAPANESE CLASSIC HORROR」で、日本を舞台にしたホラーのアニメです。全12話ですが、これを4話づつに区切って、「四谷怪談」「天守物語」「化猫」をやっています。
この3つのお話ですが、話ごとに作品のつくりや作画傾向などをまったく変えています。受けるイメージなんかもかなり違っていて、「和風」「ホラー」という共通点以外はわざと違うようにしているように思えます。OP/EDも、四谷怪談を見たときは「OPもEDも作品にあっていないなぁ」と思っていたんですが、継続してみていて、天守物語がEDに、化猫がOPにあっているという感想をもちました。

  • 四谷怪談
    天野喜孝氏のキャラデザインはよいのですが、作画による再現が完全ではないように思えました。物語自体は、語り役を鶴屋南北とすることでメタな構成になっており、物語上での怖さより、作り出された物語が祟るという不条理を押し出していました。惜しむらくは、その構成がはっきりするのが最終話であるため、途中の話でのだれが見えた気がしました。しかし、お岩様役の小山茉美さんの演技力もあり、全体としては楽しめるものになっていました。
  • 天守物語
    泉鏡花の原作を読んでいないので、どういう風に変化しているのかわかりませんが、2ch等の書き込みを見る限り元々が短編だそうで、大部分がアニメによる追加部分とのことですから、ほぼアニメのオリジナルに近いものみたいです。
    4話中1〜3話に関しては、人と異種の悲恋の傾向で進んでいたんですが、最終話で妖怪大戦争になっていたため、全体として何がやりたかったのかよくわかりません。
  • 化猫
    まだ、最初の話しかやってませんが、第1話を見る限り、この3本の中の主力っぽいです。
    絵としては、テクスチャばりばりの絵が巌窟王を思い出させます。また、主人公っぽい薬屋だけ今風の顔立ちにど派手な色の服で、それ以外の人は日本昔ばなしにでも出てきそうな顔立ちなのがなんとも主人公の異質さをあらわしています。みせ方としても、前半の静の状況から後半の動の状態への移行や、化け物そのものを出さずに大量にばら撒かれた札の反応で移動を表すなど、かなりこっています。とりあえず、残り3話が楽しみです。竜頭蛇尾になりませんように。

この3本を見ていて、このままこの枠で4話位の短編を大量に作って、特に評判のいいものを別時間で長期放映にすればいいんじゃないかとか思ってしまいました。というか、この化猫の薬屋の退魔物語のオムニバスでもいいような気がします。